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新卒採用

静岡の中小企業の新卒採用|母集団形成を「接点の設計」から考える

担当:株式会社OIKAZE 竹山代表取締役

静岡の中小企業の新卒採用|母集団形成を「接点の設計」から考える

今回のコラムを担当します、株式会社OIKAZEの竹山です。代表として経営・採用市場・業界の課題について、現場で見てきたことをお伝えします。

※ イメージ写真(AIで生成)

「説明会を開いても、学生が集まらない」「ナビサイトに載せたのに、エントリーが数件しかない」。静岡の中小企業の採用担当の方から、よくいただくご相談です。

この記事でわかること

  • 新卒採用の母集団形成が、いま中小企業にとって難しくなっている理由
  • 静岡の企業が「どこにいる学生」と出会えばよいのか
  • 母集団形成を進める4つの手順と、接点ごとの打ち手
  • 集めた母集団の「質」を確かめる方法

母集団形成とは「選考の入口に立つ学生」を増やすこと

母集団形成とは、自社の選考や説明会に進む可能性のある学生を集めることです。ナビサイトのエントリー数で語られることが多いのですが、中小企業にとって大切なのはエントリーの数より、自社を知ったうえで次に進んでくれる学生の数です。

大手企業と同じやり方で「まず数を集める」と、知名度の差がそのまま結果に出ます。中小企業の母集団形成は、学生と出会う場所(接点)をどう選び、どう組み合わせるかの設計から始めるのが近道です。

数字で見る、中小企業の採用環境

マイナビの「2026年卒 企業新卒内定状況調査」によると、2026年卒の採用充足率(内定者数/募集人数)は**69.7%**で、4年連続の減少でした(出典:マイナビ)。採用スケジュールが変わった2017年卒以降、同時期の調査として最も低い水準です。

上場・非上場別では、上場企業が78.0%、非上場企業が66.4%でした(出典:マイナビ)。募集した人数の3分の2ほどしか内定者を確保できていないのが、非上場企業の平均的な姿です。

採用充足率69.7%、非上場企業の採用充足率66.4%、地元就職を希望する学生58.7%を並べた図

同じ調査では、インターンシップ・仕事体験を実施した企業の採用充足率は75.3%、実施しなかった企業は60.6%で、14.7ポイントの差がありました(出典:マイナビ)。選考の前に学生と接点を持てているかどうかが、採用の結果を左右していることがわかります。

静岡の企業が出会うべき学生は、どこにいるか

学生の地元志向は、決して弱くありません。マイナビの「2027年卒 大学生Uターン・地元就職に関する調査」では、地元(Uターンを含む)での就職を希望する学生は**58.7%**で、前年の56.4%から2.3ポイント増え、4年ぶりに増加しました(出典:マイナビ)。

一方で、地元就職を希望しない学生に「実現すれば地元就職するかもしれないこと」を聞くと、「給料がよい就職先が多くできる」が42.9%、「働きたいと思うような企業が多くできる」が40.3%でした(出典:マイナビ)。地元に「働きたい企業がない」のではなく、働きたいと思える企業に出会えていない学生も少なくないと考えられます。

静岡の企業にとって、会いたい学生は大きく3か所にいます。

  • 県内の大学・短大・専門学校に通う学生:静岡出身者も、県外出身者もいます
  • 県外の大学に進学した静岡出身の学生:Uターン就職の候補です
  • 静岡に縁はないが、働き方や仕事内容に惹かれる学生:SNSなどで出会う層です

静岡県は、県外の大学と就職支援協定を結び、UIターン就職コーディネーターによる相談や、首都圏での合同企業説明会などを行っています(出典:静岡県)。協定を結んでいる大学は令和8年8月現在で42大学です。県外にいる静岡出身の学生と出会う入口として、こうした県の取り組みも確認しておくとよいでしょう。

母集団形成を進める4つの手順

中小企業の母集団形成は、次の4つの手順で考えると整理しやすくなります。

会いたい学生を決める、学生のいる場所を書き出す、接点を2〜3個に絞って続ける、接点ごとに次に進んだ人数を見る、の4つの手順を並べた図

手順1:会いたい学生を決める

「元気な学生」「素直な学生」のような言葉だけでは、どこで出会えばよいかが決まりません。出身地、学部、通っている大学の場所、仕事に求めていることまで、1人の学生として書き出します。

一例です。「静岡市出身で、県外の大学の経済学部に通う3年生。地元に戻りたい気持ちはあるが、どんな会社があるのか知らない。若いうちから任される仕事がしたい」。ここまで書くと、出会う場所と伝える内容が見えてきます。

手順2:学生のいる場所を書き出す

手順1の学生が、普段どこで情報を得ているかを書き出します。大学のキャリアセンター、学内の掲示、県や市のイベント、Instagramや公式LINE、友人からの口コミなど、候補を並べます。

手順3:接点を2〜3個に絞って続ける

人手の限られる中小企業が、すべての接点に手を出すと、どれも中途半端になります。手順2の中から2〜3個に絞り、1年を通じて続けることをおすすめします。単発で終わらせず、「夏のインターン → 秋の少人数イベント → 冬の説明会」のように、同じ学生と何度か会える流れをつくるのがポイントです。

手順4:接点ごとに「次に進んだ人数」を見る

接点ごとに、出会った学生の数だけでなく、説明会や選考に進んだ学生の数を記録します。翌年は、この数字をもとに手順1〜3を見直します。

接点ごとの打ち手

インターンシップ・オープンカンパニー

先ほどのとおり、インターンシップ・仕事体験を実施した企業は採用充足率が高い傾向にあります(出典:マイナビ)。会社説明を長くするより、実際の仕事に近いお題に取り組んでもらい、社員と話す時間を多くとるほうが、学生の記憶に残ります。

少人数の採用イベント

合同説明会は多くの学生と出会える一方、知名度のある企業のブースに学生が集まりやすく、一人ひとりと話す時間もとりにくい場です。少人数のイベントでは、学生と社員が同じテーブルで話せるため、知名度に頼らずに自社の雰囲気を伝えられます。

OIKAZEが運営する「就活ランチ in 静岡」は、1回あたりの出展を最大6社に絞った少人数制のイベントです。全5回で累計148名の学生が参加し、満足度は5点満点中4.8、「また参加したい」は95.8%でした。

SNSでの発信

ナビサイトで社名を検索してもらうには、先に社名を知ってもらう必要があります。InstagramなどのSNSで働く人の日常を発信しておくと、イベントやインターンで出会った学生が、その後も自社のことを思い出すきっかけになります。

大学・県や市の取り組み

県内の大学のキャリアセンターとのつながりや、県・市が主催する説明会は、費用を抑えながら学生と出会える接点です。県外の静岡出身の学生に向けては、先に紹介した県の就職支援協定や首都圏での説明会も選択肢になります。

母集団の「質」を確かめる

母集団形成の目的は、最終的に自社に合う学生に入社してもらうことです。そのためには、集めた学生の「質」も確かめる必要があります。

  • 接点ごとの選考参加率:イベントで出会った学生のうち、何人が選考に進んだか
  • 学生の声:イベント後のアンケートで「印象に残った社員」「もっと知りたかったこと」を聞く
  • 内定辞退の理由:辞退した学生が、どの接点から入ってきたかを振り返る

OIKAZEのイベントでは、参加学生のアンケートを整理して出展企業様にお渡ししています。学生から見た自社の伝わり方を知ることが、翌年の接点の設計につながります。

まとめ

静岡の中小企業の母集団形成は、数を追うより、接点の設計から始めるのが近道です。

  1. 会いたい学生を1人分、具体的に書く
  2. その学生がいる場所を書き出す
  3. 接点を2〜3個に絞り、1年を通じて続ける
  4. 接点ごとに、次に進んだ人数を見て翌年に活かす

地元就職を希望する学生は増えています。その学生たちに「働きたいと思える会社」として出会ってもらえるかどうかは、接点のつくり方次第です。

静岡で学生との出会い方を見直したい企業様は、採用イベント事業のページもあわせてご覧ください。

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出典

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